「臨終師フォン」創作メモ

長編小説「臨終師フォン」を出版しました。よろしくお願いします。出版までの過程をメモとして残して、みなさんのお役に立てればと思います。

「臨終師フォン」というタイトルについて

当初は「ゼロエフ」という仮タイトルで書いていました。読んだ方はわかると思いますが、作品中で仮想空間"ゾーン"での高速処理能力を持つ人々を"ゼロエフ能力者"と呼んでいるためです。あまり本質を意味したタイトルではありませんが、仮タイトルだったので、とくに調べもしないで1年以上そのままでした。

ほとんど書き終わっていた2022年5月、湯浅政明監督のアニメ映画「犬王」を拝見しました。その原作の「平家物語 犬王の巻」も未読であり、作者の古川日出男さんもその時に知りました。そして古川日出男さんの作品を調べていて、「ゼロエフ」というノンフィクションがあることを知り、当然、このタイトルは断念しました。「ゼロエフ」というタイトルを思いついた当時、まだ古川日出男さんの「ゼロエフ」は刊行されてなかったので、しょうがないのですが。

タイトルについていろいろと考えた結果、無難に主人公から 「臨終師フォン」 と名づけました。もっと気の効いたタイトル、たとえば「月は無慈悲な夜の女王」(ロバート・A・ハインライン)とか、そこまで素晴らしくなくても、「湖中の女」(レイモンド・チャンドラー)とか「幼年期の終り」(アーサー・C・クラーク)ぐらいには内容を想像できて、記憶にも残るタイトルにしたかったのですが、思いつきませんでした。  「臨終師フォン」 というタイトルも、最後にはちょっとは、ナルホド、と思ってくれる読者もいるかと思っているのですが、どうでしょうか。

  • <まとめ>
  • タイトルは早いうちに考え、定期的に考え直しましょう
  • 同じタイトル、似たタイトルがないか、早いうちに調べておきましょう
  • タイトルで定期的に検索をかけておきましょう、Googleアラートを使うという手もあります