「臨終師フォン」創作メモ

長編小説「臨終師フォン」を出版しました。よろしくお願いします。出版までの過程をメモとして残して、みなさんのお役に立てればと思います。

2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

当て書きによる小説

「当て書き」とは、映画や演劇などの脚本において、あらかじめ登場人物に俳優を想定して書く方法です。実際には、俳優のスケジュールを押さえ企画が成立した上で書く場合と、単にイメージとして俳優を想定して書く場合があるようです。 小説執筆で当て書き、…

拡散的思考と収束的思考

前エントリーの「ギルフォードの創造性テスト」と小説著述でギルフォードについて書いたので、ついでに拡散的思考と収束的思考について書いておきます(好きな分野なので)。 ギルフォードは、拡散的思考(Divergent thinking)と収束的思考(Convergent thinking…

「ギルフォードの創造性テスト」と小説著述

前エントリー「ゼロからイチの幻想2 組み合わせの発想法」で発想法について書いたので、補足しておきます。 ギルフォードの創造性テストというものがあります。「レンガの使い道を3分以内にできるだけ多く考える」というテストはどこかで聞いたことがあるで…

ゼロからイチの幻想2  組み合わせの発想法

前エントリー「ゼロからイチの幻想」 の具体的な方法論です。 組み合わせの発想法は、次の三段階になると思います。MBAではお馴染みのロジカルシンキング、そのMECEの考え方からきています。 ただし、これは新規事業、新商品、新機能などに向けた、時間をか…

ゼロからイチの幻想

新規事業、新商品開発をずっとやってきたきたのですが「ゼロからイチを作る」と安易に言う人がいます。そういうビジネス書も多く出ています。しかし、間違いなく「ゼロからイチは作る」というのは幻想でしかありません。すべてのモノは過去のモノの組み合わ…

日本SF大賞エントリー

拙著「臨終師フォン」 を、日本SF大賞にNo.240でエントリーして頂きました。エントリー数342作品、重なっているのもあるので300作品ちょっとぐらいでしょうか。自分の基準ではSFには入らない作品も多いですが、読んだり見たりしているのは10作品ほど。面白そ…

「羆嵐」吉村昭

「羆嵐」、はるか昔に読んでいるのですが、最近の熊のニュースの多さから読み返してみました。 大正4年(1915年)12月、北海道天塩山の開拓村における一頭のヒグマによる日本獣害史上最大の惨事のドキュメンタリーです。熊に対する村人たちと老練なクマ猟師の…

クリフハンガー

前述の「物語の三層論」に書いた、クリフハンガー(Cliffhanger)について補足します。 クリフハンガーとは、絶体絶命のシーンで物語を終了し、その後を想像させ、期待させる技術です。その歴史は古く、ヴィクトリア朝時代の連続小説で広まり、特にチャールズ…

キャラクタの役割

物語におけるキャラクタの役割、について初めて体系的に知ったのはDramaticaでした。 Dramatica、は90年代に作られた、物語を作るためツールのソフトウェアです。プロット、テーマ作成、ストーリ構成と段階的にガイドを与え、執筆プロセスを導いてくれます。…

スローイン・ファストアウト

前述の「物語の三層論」に書いた、スローイン・ファストアウトについて補足します。 スローイン・ファストアウトは、スポーツ走行で有名な言葉ですが(私は「頭文字D」で知りました)、物語の世界では、シーンにはゆっくり入って、素早く抜ける、という表現技…