「臨終師フォン」創作メモ

長編小説「臨終師フォン」を出版しました。よろしくお願いします。出版までの過程をメモとして残して、みなさんのお役に立てればと思います。

長編小説の分量

長編小説をちゃんと仕上げよう、と覚悟したときに最初にやったのは分量を想定することでした。 おおまかに、それほど厚くない文庫本一冊ぐらいの本、というイメージがありました。早く読む人なら2時間ほどの時間で読める量、映画ぐらいの時間で読める量です。

手元に「2001年宇宙の旅」があったので、調べると本文が279ページでした。1ページが41桁17行で697文字/ページ。つまり約20万文字あれば文庫本一冊になる、と計算できました。400字詰め原稿用紙で500枚です。まだ、メモ程度しか書いてない段階では、20万文字はほぼ無限に思える量でした。

そこで、映画を作る作業として考え直しました。三部構成で、始まり、出会い、成功、挫折、復活、再対決、という6段階の展開のストーリラインを想定しました。それぞれに20シーン、1シーンを10カットとして全体で1200カット、1カットを160文字(40桁4行)で書いて表現できれば、20万文字になる、という概算を立てました。

  • 始まり 20シーン、10カット/シーン 合計 200カット
  • 出会い 20シーン、10カット/シーン 合計 200カット
  • 成功 20シーン、10カット/シーン 合計 200カット
  • 挫折 20シーン、10カット/シーン 合計 200カット
  • 復活 20シーン、10カット/シーン 合計 200カット
  • 再対決 20シーン、10カット/シーン 合計 200カット

実際にストーリーライン、シーン、カット、と落として書き進めていきました。もちろん、この計算通りにはいかないのですが、私の場合はうまく20万文字ぐらいに収まりました(Kindleの表示で279ページ)。この辺は、後述したいと思います。

もちろん、長ければいいというものではありません。新人賞などの応募は、ほぼ中編を想定しているようです。集英社小説すばる新人賞 原稿用紙200〜500枚、文藝春秋 オール讀物新人賞 原稿用紙50〜100枚、新潮社 新潮新人賞 原稿用紙250枚以内です。私の場合は賞への応募は想定していなかったので問題ありませんでした。

  • <まとめ>
  • 文庫本一冊の長編は約20万文字、原稿用紙500枚
  • 6段階の展開のストーリライン、それぞれに20シーン、1シーンを10カットとして全体で1200カット、1カットを160文字(40桁4行)で書いていけば、20万文字になる…という想定を私の場合にはしました