執筆ツール、長編小説を何で書くか?
「臨終師フォン」 は、Bear というMarkdownノートアプリで書きました。
書くにあたって、何を使って書くかを当初に検討しました。候補としては、純粋にエディタのVSCode、物書きに愛用者が多いUlysees、Bearのライバル的なMarkdownエディタのObsidian、Notion、Joplinなどがありました。
しかし、ツールに凝っている時間があるなら1行でも進めようと思って、普段から慣れているノートアプリのBearに落ち着いてしまいました。
執筆ツールの条件としては次のものがありました。
- MacOS、iPad、iPhoneすべてで読み書きが可能で、同期が取れる
- ノート内、Web、ローカルファイルにハイパーリンクができること
- Markdownで書けること
- 読み上げができること、iPhoneでも
- タグが使えること
- 多少はプログラマブルであること(x-callback-urlでOK)
特にハイパーリンクは重要でした。これは本文の近くから多くの資料を参照したいためです。各キャラの設定メモ、舞台設定メモ、年表、その他の資料が多量にあって、書いている途中ですぐに参照したいのです。
他にも、地図へのリンク(主にApple Map)、Wikipediaなどオンラインの資料へのリンク、所有書籍へのリンク(ほとんどPDF化されローカルにある)が必要でした。
このように本文中にリンクやコメントを気軽に書きたいのですが、数ある執筆ツールでも、最適なものは見当たりません。
結局は、Markdownのリスト文( "- "から始まる行)をすべて特殊行とみなして、リンク、コメント(進行程度、シーンの感想)などをすべてリスト文中に書き、最終的にはリスト文を削除してから出力するという方法にしました。
これは言い換えると、Markdownを小説の、つまりはePubのソースコードとして変換プログラムをかけることと同じになります。プログラムを書く方なら、次のような流れが分かっていただけると思います。
- 小説の章ごとにソースがある
- Makeすると、Makefileにしたがって、ソースからコメント部分などを除いて統合し、チェックプログラムを通して出力をする
- ePubまで一気に出力するようにしたかったのですが、今回は一回Pagesに読み込ませてからePubで出力させています。これはePubの縦書きの仕様を完全に理解してないためです
今回の方法はちょっと特殊で万人向けではありません。簡単なプログラムを書ける方ならMarkdownで書くことは自由度が高く、お勧めできます。