「臨終師フォン」創作メモ

長編小説「臨終師フォン」を出版しました。よろしくお願いします。出版までの過程をメモとして残して、みなさんのお役に立てればと思います。

ゼロからイチの幻想

新規事業、新商品開発をずっとやってきたきたのですが「ゼロからイチを作る」と安易に言う人がいます。そういうビジネス書も多く出ています。しかし、間違いなく「ゼロからイチは作る」というのは幻想でしかありません。すべてのモノは過去のモノの組み合わせであると思った方が正しいです。素晴らしいモノは素晴らしい組み合わせのモノです。「ゼロからイチを作る」という幻想を捨てて、「素晴らしい組み合わせを考える」という方が正しい道です。

これは電子機器、ビジネスモデルなどで有効な考え方ですが、小説、映画などでも同じです。まったく新しい発想の小説、映画などありません。新しい組み合わせの部分があるだけです。

では、「素晴らしい組み合わせを考える」方法は何でしょうか。次回、具体的にその方法論について書いてみたいと思います。

(補足) 「ゼロからイチを作る」は、よく創業者がいうセリフです。あるいは、それに乗っかったコンサルタントなどが使います。確かに創業しているという自負があり、それは立派なことではあるのですが、新しい価値観を作った事業などほとんどありません。自動車でさえ、馬車という産業の置き換えです。昔、真剣に、歴史上に真の新しい価値観はどういうものがあったか、と考えてみたのですが、それは農業、言語、文字、貨幣、宗教といった文明の始まりになってしまいました。